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へそ曲がりセブ島暮らし2018年 その(8) シロアリに食われた本

 自宅隣の別の棟に保管していた段ボール箱が、シロアリに食われていると分かり、急いでシロアリを駆除すると共に段ボール箱を開けてみた。

【本もまとまると重く2人がかりで箱を降ろす】

 この段ボール箱は13
箱あり、中味は全部本が入っている。この本は日本の実家を取り壊す時セブへ運んだもので、セブに移してからちょうど4
年になるが、一度も開梱せず部屋の床に積んでいた。

 今回シロアリの被害に遭ったのは2箱で、箱から取り出したのが写真の本になり、ほとんどが単行本でその冊数は243冊、他に文庫本と新書版が13冊入っていて合計256冊あった。

 発見が早かったので、それ程中まで被害は食い込まず、外側にあった本がやられていたが、どうしようもなく酷くて、捨てるしかない被害を受けた本はなかった。

 このシロアリによる本の被害だが、10数年前に自宅の2階に通ずる階段に本を置いていたところ、階段そのものが木製であったのでシロアリに食われ、本にも被害が及んだ。

 その時は、発見するのが遅くてかなりの本を廃棄せざるを得なかったが、セブに住んで現地で購入した写真中心の本ばかりで、面白い本もあったが諦めた。

 その時の騒ぎの教訓からフィリピンはシロアリ被害が凄いので、木の階段は止めて鉄製の螺旋階段に付け替えたが、さすがにシロアリも鉄までは食べようとは思わないようだ。

 さて、今回のシロアリ騒動、半日かけて一冊、一冊シロアリの被害を調べ、本の中に潜んでいるシロアリを潰しながら本の題名と作者を改めて見たが、実家から本をセブに移す時は特に分類した訳ではなく、手当たり次第に箱に詰めて行ったため、どういう本が入っていたかは開けるまで分からず、こんな本読んでいたのかと思う本も多かった。

 被害を受けた箱に入っていた本では、辻邦生、野坂昭如、五木寛之、井上ひさしといった作家の本が多く、これらの本を読んでいた1970年代、1980年代の自分の読書傾向が分かった。

 面白いことに、辻邦生の本がかなりシロアリにやられていて、シロアリにも読書傾向があるのかとも思ったが、これは箱に詰められていた位置と紙質の関係であり、シロアリに読書傾向があるとは思えない。

 この2箱には江戸川乱歩賞受賞作も多く入っていて、当時は必ず受賞作を単行本の新刊で買っていて、今のように文庫本になってから買うのではなく、本購入にずいぶんお金を費やしていたことが分かる。

 もっとも、当時の新刊書の値段が1000円を超えた程度であり、今のように新刊の文庫本が1000円近い時代とは違い、読書する人間には優しい時代であったようだ。

 また、文学新人賞を受賞した作品は結構買っていて、今やノーベル文学賞を狙う大家となった村上春樹のデビュー作があった。あの当時、村上の作品を初めて読んで日本人には異質な文体が『翻訳小説』みたいだなと感じたが、書評家にもそういう見方がある。

 

その文学新人賞受賞者でも、その後作品を発表した様子がない新人作家も見受けられ、埋没してしまい作家も芸能人並みに才能以外に出版社の売り出しいかんで、世に出ると傾向はいつの世も変わらないようだ。


 文壇御三家と呼ばれた野坂昭如、五木寛之、井上ひさしも五木を除いて既に鬼籍に入っていて時の流れを感じさせるが、井上の大冊、岩手三陸を舞台にした『吉里吉里人』も出てきて、東日本大震災の被害を受けた3月11日に何かの縁があったのではと思っている。

 この2箱には小説を中心とした本が詰められていたが、ヨット関係の旅行記も何冊も入っていた。実家にはヨットの月刊誌『舵』が数百冊あったが、さすがにセブに持ってくることは出来ず、全部捨てたが、神田の古本屋でバック・ナンバーを買い求め、創成期から揃っていたが惜しいことをした。

 バック・ナンバーといえば廃刊した『朝日ジャーナル』などもかなりの数があり、これら雑誌類はことごとく捨て、太陽などの雑誌は特に重要と思える特集本だけは残したが、今思うと時代を思い返す資料として取っておけば良かったとも思うものの、日本からセブへの輸送費は非常に高く諦めざるを得なかった。

 こうして、出てきた本をチェックして、全く読んだ覚えがない本も多数で、これは単に読んだことを忘れていることに過ぎないが、そういった本をゆっくり読み直すのも楽しみとしておきたい。

 今回の被害を受けた2箱から1箱あたり120〜130冊の本を詰めたことが分かり、残る11箱は文庫本も入っていると思うが、ざっと単純計算して11×120冊=1320冊となり、1000冊以上は箱に詰まったままでいることが分かる。

 またシロアリにやられないためにも開梱して保管したいが、これ以外に何千冊も部屋には既に置かれていて、保管場所に四苦八苦している。


 

author:cebushima, category:へそ曲がりセブ島暮らし 2018, 20:48
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