RSS | ATOM | SEARCH
へそ曲がりセブ島暮らし2018年 その(19) 初めて行ったセブの巨大ショッピング・モール

 フィリピンには『シューマート(SM)』という福建省から移民した人物が一代で築いた企業があり、企業名にある『シュー』は靴の小売店から始まったのを由来とするが、今やフィリピンでは巨大財閥の一つになった。

【写真−1 中央のタワーは高さ150mありまだ建造中

 

 創業者は既に90歳を超えるが、世界の長者番付けの常連で、2017年度は世界で52番目、資産総額は200億ドルとなっていて、フィリピンの年間国家予算が600億ドルを少し出た程度だから、その規模が莫大であることが分かる。

 SMは傘下企業に国内最大銀行や不動産会社などを多岐に渡って支配しているが、基本的には小売業で、特にショッピング・モール事業には力を入れていて、現在フィリピン国内には70店舗を所有する。

 また、創業者の出身地、中国にもいくつかモールを展開しているが、その他の国へ出ることはないようだ。セブにもモールが3店舗あり、先日、3番目に開業したモールへ初めて行った。

 写真−1はセブの1番新しい埋立地に造られたモールで、2015年11月に開業し名称は『SM Seaside City Cebu』となっている。

 シーサイドとあるように立地場所は海に臨むが、ここは日本の税金で埋め立てた場所で、このようにSMは公的資金を使って埋め立てた土地を取得するのが上手くて、マニラ湾にも同様の巨大モールを造っている。

 この埋め立て地面積300ヘクタールあるが、施主はセブ市で、セブ市は不動産業化して、埋め立てた土地を企業に売っているが、日本の低利、長期支払いという破格の条件の税金による海外援助を『ODA』というが、私企業のために日本の税金が使われていると批判されている。

 このモールが開業してから2年半も経ってから行くのは、なにもこのような不便な場所に造られたモールまで行かなくても用は足せるし、モール自体の造りや店舗の内容など金太郎飴のようで、フィリピンの巨大モールには魅力がないことに尽きる。

 埋め立てが竣工してからずいぶん経つが、埋め立ての開発は少しずつ進んでいるものの、空き地が目立ち写真−1でもモールの横は草茫々で、場所によっては野生の樹が繁りジャングル化している所もある。

 行った日は週末であったがやはり不便なのか他のモールより客足は少なく、特に駐車場などガラガラで他のモールで駐車場所を巡って駐車場内をグルグル回るようなことはない。何よりも駐車場料金が無料であることが客が来ないことを物語っている。

【写真−2 SMはこれ以外に一帯の開発計画を持つ】

 

 写真−2はモールの屋上から写した光景で、道路は埋立地を貫く幹線でこの道はセブ市から南部方面へ抜けるバイパスにもなっていて、開通当時はかなりのスピードで走れたが、今は渋滞気味でスピードは半分くらいになった。

 彼方には火力発電所があり、セブ港が連なり対岸に国際空港のあるマクタン島がある。現在、セブ島とマクタン島間は2つの橋が繋いでいるが、もう1本の橋を架けることが決まっていて、セブ側はこのモール近くが出入り口になるから、このモールのために架けられる第3の橋ともいわれている。

 このモール、売り場面積は47万平米あり、フィリピンでは3番目、世界で9番目の広さという。ちなみに世界一広いモールは中国の東莞にあるモールで65万9千平米という。東莞には住んだことがあるのでどの辺りかなと思うが、テナントはガラガラだという。

 フィリピンで一番広いモールはマニラ首都圏にある『SM City North EDOSA』でその広さは48万8千平米、ここは世界でも6番目の大きさになる。セブにSMのモールは3つあると書いたが、1993年にセブに最初に出来た『SM City Cebu』も大きく、フィリピンで6番目の広さという。

 日本にもモールという業態は増えているが、1番広いのは埼玉県にある『イオン・レイクタウン・センター』で、広さ24万5千平米というが、立地が田舎過ぎて誰でも行けるというモールではない。

 むしろ、日本は大規模な店舗形態よりホドホドの規模の店が集まった個性的な場所が好まれるようで、大味なモールというのは今一つ発展しないようだ。反対にフィリピンはモール好きで、SMのモール以外に大資本がそれぞれモール事業を展開していて、競争も激しくなっている。

 さて、SMシーサイドだが、テナントは変わり映えしない店ばかりで、これはSMの傘下店舗とSMと仲の良い中国系の仲間が持つチェーン店で占めるために代わり映えしなくなる要因にもなっている。

 このモールのテナント数は450店弱というが、開業してからかなり時間が経つのにスペースの空きが目立つ。先述の傘下店舗や仲間店舗は資本力も大きいし、名前は知られているので潰れることはないが、独立系の店舗は撤退しているようで、やはり立地条件は良くないと分かる。

 モール業というのは大家が損しないような業態になっていて、テナントは家賃の他に売り上げに応じて一定程度の金額を吸い取られるようになっていて、経営は大変らしく、これはコンビニにも共通する問題で、特をするのは大家側という構造になっている。

 

【写真−3 滑る人よりもガラス越しで見る人の方がはるかに多い】

 

 写真−3はモール内にあったスケート場で、オリンピック競技の出来るサイズだという。かつてSMセブにはスケート場が併設されていて、年中暑いフィリピンでもスケートが楽しめるのかと、家人と共に滑りに行ったが、やはり営業的には難しいのかスケート場は消えて、現在はフード・コートになってしまった。

 この写真のスケート場、見た目が樹脂の上を滑っているようで氷でない感じがする。以前のスケート場は氷の上を滑ったが、今は技術の進歩で氷でない上を滑れるようになったと聞くが、直接触れていないから断言できない。

 この間の冬季オリンピックにフィリピンからフィギュアで参加した選手がいて、その影響もあって滑る人が増えたと聞くが、この日はご覧の通り滑る人は少なく、ここもいつまで持つか心配な感じがあった。

 それで、昼食をこのモール内で摂ったが、行った店はセブでも知られSM内に出店している中華レストランで、このように客が入っているのは従来の知られた店ばかりで、意気込んで新規出店した店は厳しい環境であり、儲けているのは賃料と売り上げを吸い上げているSMと分かる。


 

author:cebushima, category:へそ曲がりセブ島暮らし 2018, 18:22
-, trackbacks(0), pookmark
Trackback
url: http://cebushima.com/trackback/3186