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フィリピン・よもやま帖 2018 その−(10) 教育はビジネスになるフィリピンの大学ランキング

 日大の選手が起こしたアメリカン・フットボールの悪質反則で、日大経営陣のお粗末な体質が俎上に上げられているが、日大は『ポンダイ』あるいは『日大株式会社』といわれるように大学の印象は少々落ちる。

【写真−1 アメリカ軍の空爆に耐えたダウンタウンにある戦前からの本部校舎】

 しかし、現在17
学部87学科を擁し、在籍者数は7万5千人弱、日大卒は114万人に上がるというから、日本の人口の100人に1人は日大卒という勘定で、それだけではなくその配偶者など係累を加えると、恐らく数十人に1人は日大と何らかの関係を持っていると思われ、これは日本において一大勢力であることは間違いない。

 小生が学生の頃、日大は10数万人の学生を抱え、日本一のマンモス大学であったが今もマンモス大学であることは間違いなく、年間予算が2700億円弱というから、大企業並み、正に『日大株式会社』の名に恥じない。

 その内、色々な形で税金による補助金が155億円も注ぎ込まれているから、あれは日大の問題であって中で解決すれば良いとならず、各方面から批判、非難の声が出てももっともである。

 今回の騒ぎを見て日大の体質というのは少しも変わっていないというのが分かり、これは半世紀前にあった日大の首脳陣の不正経理を巡って批判が起こり、右翼的な大学にも拘らず学生が立ち上がり『日大全共闘』結成。

 当時の日大の経営責任者は会頭と呼んでいたが、全共闘の追及に負けて退陣を表明したが、時の総理大臣は『佐藤栄作』で、日大会頭とも懇意で、体制の危機感を抱いた佐藤は全共闘弾圧を決め、機動隊を導入。その後、日大は運動部などの暴力組織を使って学生運動を徹底的に排除して今や北朝鮮並みの学内支配。

 このため、今回の騒ぎを見ても学生側の表立った動きなど無く、日大生があかの他人面しているのは、こういった歴史があるからで、いくら社会に関心のない若者ばかりとなった時代とはいえ、やはり日大生の知的レベルは落ちるといわれても仕方がない。

 と日大をこき下ろすのはそのくらいにして、標題に入ろう。世間は何事にもランク付けをするのが好きだが、この間『世界の大学ランキング』という資料を見て、その中で『フィリピンの大学ランキング2018年版』という項目があった。

 ランキングの方法はどのようにやっているのか分からないし、基準の偏りも多いと思うが、ある程度その大学のレベルが分かるのは確かで、最新版なのでこれを中心に話を進めたい。

 フィリピンで1位(世界では1308位以下括弧内は世界ランキング)になったのは国立フィリピン大学ディリマン校で、フィリピンは大学の分校を1つの大学としているのでこういう表示になるが、司法や役所関係に強く、いってみれば日本の東大が官僚育成で作られた大学であることと似ている。

 2位(1925位)はデ・ラ・サールマニラ校と私立校が入るが、フィリピンの教育は私立校が優勢、優秀で、国立や公立の大学は貧乏人が入る所と思っている人も多い。

 3位、4位にフィリピン大学の分校が入るが、5位はホセ・リサールが学んだ私立サント・トーマス大(2795位)、その次にセブにある写真−1の私立サン・カルロス大学(3687位)が入る。

 

【写真−2 写真−1の校舎中庭にあるスペース】


 サン・カルロス大はマニラ以南では一番高いレベルの大学と定評のある大学だが、特に司法試験には強く、昨年は69人の受験者全員が合格、しかもトップ合格者を出し、今年も不合格者はわずかで、法学部の優秀さは際立っていて、写真−2は法学部校舎のある構内の中庭。

 セブを含めたヴィサヤ地域のランクを見ると、ネグロス島ドゥマゲッティ市にあるシリマン大学が9位(5209位)が入り、この大学はカトリック系の大学が目立つ中、プロテスタント系の大学で、近年は評価が高くなっている。

 

 セブではずーっと下がって49位(11586位)にセブ工科大学、57位(12530位)にサン・ホセ・リコルテス大学が入っている。これで思い出すのは、セブに進出した日系企業がフィリピン人を採用する時、サン・カルロス大、シリマン大、リコルテス大の3校出身者しか履歴書を見なかったことである。

 

 これは募集をかけると就職難のフィリピンは履歴書が山のように来るので、いちいち見ていられないという理由もあるが、明らかに学歴差別が横行しているのが分かるが、セブの企業間では常識となっている。

 

 63位(13089位)にセブ大学が入っているのが不思議で、ここはセブで最大の学生を抱えるマンモス校で、いってみればセブの日大といった感じで、学部数と学科は非常に多いがそのレベルはどうかという大学。

 ここは司法試験などの国家試験で在校生がトップに入ると自動車を進呈したり、上位者には賞金を出す大学として有名だが、他の大学でも同じようなことをしているからここだけでの問題ではないが、学校の宣伝には熱心。

 

 67位(13360位)にセブ技術大学が入るが、49位のセブ工科大学とどう違うのか分からないが、時代としては理系がランク付けには有利なようだ。

 

 最後の100位(15718位)にセブ・ノーマル大学が入るが、この大学はかつての師範学校で教員養成大学として定評がある。構内には戦時中の日本軍司令部の置かれた建物が今も残っている。

 

 このランク付けで驚いたのは、フィリピンで100位の大学が全世界で15718位という数字の大きさで、世界には大学という名の学校がかなりあるのだなと分かるが、正確な数字は不明というから更に驚く、

 

 フィリピンはユニバーシティーとカレッジとに分かれるが、教育熱心な国であることは間違いなく、現在のドゥテルテ政権から高等教育の無償化が決定したから、日本よりはるかに進んでいる。

 

 しかし、毎年大量の大学卒業生を生み出しているものの、国内に充分な仕事先はなく、卒業しても職に就けないのは普通で、これは何十年も前からいわれていたことで、少し気の利いた人物なら海外で働くというのが当たり前になっていて、人材の国外流出というのも大きな問題としてフィリピンには横たわる。


 

author:cebushima, category:フィリピン・よもやま帖 2018, 19:24
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