RSS | ATOM | SEARCH
フィリピン・よもやま帖 2018 その−(11) フィリピンの学校が6月4日から始まった

 人口が減っていると騒ぐ日本は、それでも世界の国の中では10番目の1億2千6百万人の人口を抱えていて、国土面積は小さいのに人口が異常に多いことが分かる。

【写真はミンダナオ島ダヴァオ市の学校で幼稚園から大学まで持つ一大企業】

 このフィリピンは間にメキシコを挟んで12位の1億5百万人で、日本より国土面積は狭いからやはり人口が多いことが分かる。この1億5百万人という数字も実際は1億1千万人台に達していて、何年か後には日本はフィリピンに人口数で追い抜かされるという。

 小生が初めてフィリピンに来た頃のフィリピンの人口は5000万人台であり、ここ30年で倍増してしまい、その勢いは止まっていないし、人口問題として捉えている人は少ない。

 日本とフィリピンの人口の増え方を比較すると、1980年代の日本は1億2千万人台で、ここ30数年で微増といって良い5百万人で、増加率は4%を超えた程度。一方、フィリピンは同時期に6千万人増えていて、実に増加率120%となり、人口爆発の国であるのは間違いない。

 ちなみに日本の増加率は4%だが、これは30数年間の増加率であって、人口を維持するには年々2%少々を超える、即ちその年の人口数×1.02であり、母数は年々増えて行くから大きな数字になって行くので、日本が人口減少で騒ぐには既に遅過ぎ、こうなることは分かっているのに何もしなかったのが現実。

 人口爆発しているフィリピンは、これが『貧困』の源と認識はあるようだが、この増えた人口ながら国内の仕事は増えず、国は増えた人口を海外に輸出すれば良いと考えていて、フィリピン人の海外就労、移民は勢いが止まらずその数は全世界に1000万人を超えるという。

 常々疑問に思っているが、この海外在住のフィリピン人1千万人という数は人口統計に入っているのか入っていないのか良く分からないし、その国に帰化してしまったフィリピン人は統計上どうなっているのか、と書いてもどうでも良いことか。

 さて、6月4日の月曜日からフィリピンの学校は始まり、大きなニュースになった。フィリピンは3月に学年が終わり、その後は夏休みに入り6月から新学年になるが、6月4日から登校したのは公立校が中心で、私立も含めて小中学生は2300万人、高校生は400万人が在籍するという。

 両方合わせて2700万人に上がるが、実に総人口の4分の1が小中高生となるから驚く数字で、同じ4分の1が65歳以上を占めてしまう日本は特異な感じがする。

 日本の場合、小中学生数は1千万人を切っていて、フィリピンは日本の2倍以上だが、フィリピンは幼稚園1年が義務教育となっていて、この数も含まれると思うが、それにしても人口数が同程度ながら、小中学生数が日本の2倍も存在するフィリピンという国がいかに若い国か分かる。

 教育を大切にしない国は伸びないというが、フィリピンはドゥテルテ政権になって、高等教育の無償化を実現していて、教育の無償化が口先だけの日本よりずいぶん進んでいる。もっとも、財源についてはいい加減で、この無償化がいつまで続けられるかどうかは分からない。

 セブは学生の町といわれるように、教育機関が多く、特に私立学校は非常に多い。教育機関といえば聞こえは良いが、中には教育をビジネスとして投資をする例も多く、ビジネス分野では旨味があるのか、最初は小さく始めた学校が数年のうちに大きくする例も多い。

 一例として小生宅の近くに或る日『カレッジ』が出現し、使われた校舎は倉庫に使われていた建物で、数年のうちに大きなビルを建てて大きくなった。もっとも、この学校あまりレベルは芳しくないようだが、学校進学熱の高いフィリピンでは通用するようだ。

 この進学熱だが、フィリピンも学歴主義の国で、最低でもカレッジくらいは卒業しないとあらゆる面で不利とされているが、カレッジどころか高校、中学、小学校を満足に卒業できない人も多い。

 これは学校に通うことができず働くことを余儀なくされているためで、公式統計では小学生の6歳から11歳の間で5%、即ち20人に1人は学校に通えないというから驚く。

 中学生の12歳から15歳では更に数字は上がって7.7%になっていて、上に行くほど学校へ通えない子どもが多いのが、実態となっている。このためドゥテルテ政権の決めた高等教育無償化より、義務教育に通えない子どもの救済が先ではないかと指摘されているが、いつの時代でも弱者が切り捨てられるのは変わらない。

 学校は始まったが、受け入れる学校の教室と教員が足りなくて、都市部の学校など午前と午後の2部制で子どもが学んでいるのが恒常化していて、在籍者数千人という小学校は珍しくなく、問題解決には程遠い。

 2部制だと学ぶ時間も少ないと思うが、フィリピンの義務教育は幼稚園1年、小学校6年、中学と高校が一緒になった高校6年の計13年制と日本の小中高12年制と少々仕組みが違う。


 幼稚園の義務化は最近のことであり、やはり高校6年制も最近のことで、それまではフィリピンは小中高で11年しか学べず、海外の大学に留学する時、12年が必要なので問題があった。

 それを改革した訳だが、どうもこの国の教育改革というのは上の方ばかりの都合で動いているような気がするが、簡単に制度が変えられるのは国が若い証拠ともいえよう。

 日本のように変えられない制度が岩盤のように横たわる国は、『少子高齢』をアレヨアレヨという間に招いたことと関係があるようだ。


 

author:cebushima, category:フィリピン・よもやま帖 2018, 18:39
-, trackbacks(0), pookmark
Trackback
url: http://cebushima.com/trackback/3194