RSS | ATOM | SEARCH
マニラ逍遥 2018年 その(8) エスコルタ通り点描−1 1938年建築のカルボ・ビル

 エスコルタ通りはその(7)に書いたジョーンズ橋を渡って右に入る地点にある写真−1の道路標識から、サンタ・クルス教会に至る短い通りだが、戦前はビジネス街として栄え、当時の歴史的建造物が多く残っている。

【写真−1 駐車する車が道を塞いでこれだけ見ればただのフィリピンの通り】

 前回は1930年代に竣工、元映画館の『キャピトル』の取り壊し直前の姿を書いたが、写真−1は遠方右側にその取り壊し中のキャピトルが写り、手前左側にピンク色の『カルボ・ビル』が写る。

 カルボ・ビルの竣工年は1938年で、当時の写真を見ると現在の様なピンク色に塗られていなくて、窓の様子もずいぶん改造され、現在は1階部分に中華レストランや全国展開のドラッグ・ストアが入っている。

 この中華レストランはビルが出来た当時から開業しているのが古い写真で分かるが、その頃の店の外観は、洋風レストランのように見えるので、今の様な海鮮を売り物にする中華レストランであったかどうかは分からない。なお、当時の店構えは通りに沿って開放的に作られていたが、今は壁や窓で閉じられている。

 このレストランは川の眺望を売り物にしている有名店で、カルボ・ビルの裏側はパシグ川に面し、エスコルタ通りから川までビルの敷地はあり、そのフロアーを占める大きなレストランだが、小雨の降る中かなり客が入っていた。

【写真−2 上階の窓から付き出すクーラーがデザインを壊す】

 写真−2はカルボ・ビル角の切られた部分で、かつてはここに正面玄関があって上階へ行くようになっていたようだ。古い写真と窓の様子を比較して分かったが、竣工当時は4階でその後その上に建て増しされ5階になっている。

 そうしてビルは長い年月の間にかなり改造されているが、それでも3階部分の軒下にある飾りは竣工当時の状態で残っているようで、しっかり観察すれば面白いが望遠レンズでないと捕えられない。

 このビルにはかつてラジオ局が入っていたこともあり、ビルのオーナーが三代に渡って収集した古い時代の資料や品物を展示したミュージアムが設けられていて、見学ができる。しかし、事前予約が必要らしく今回は見学は出来なかった。

【写真−3 それなりにマニラの名所になっているからもう少しマシなのが欲しい】

 写真−3はエスコルタ通りの塀に掲げてあったエスコルタとチャイナ・タウンに建つビルの案内で、これには42棟のビルが載っていて、その中に入っている銀行やレストランなどが下部に書かれ、エスコルタを目指して来る者には役立つ。

 

 もう少し気の利いた物にならないかと思うし、また歴史的建造物だけの案内ではなく、近年建てられたコンドミニアムなども入っていて、それでも、これを見ると、戦前に竣工した歴史的な建造物がたくさんあるのが分かる。

 

 しかし、多くは再開発で先の映画館キャピトルのように取り壊し中あるいはかつてあった、また荒廃の進んでいる建物が多い。戦前に建てられたのならば、既に築80年から90年は経過していて、コンクリート造りとはいえ寿命もある。

 近年古い建物が見直されて、戦前に建てられ戦火でダメージを受けた建物を修復している例もあるが、エスコルタのように元は一等地で、交通の便も悪くないために再開発の波には抗えない時代で多くの建物は風前の灯といった感じが強い。

 


 

author:cebushima, category:マニラ逍遥 2018年, 18:01
-, trackbacks(0), pookmark
Trackback
url: http://cebushima.com/trackback/3221